県立図書館館館のおすすめの本(平成28年4月)
書名:だれが石を投げたのか?
著者:ミリアム・プレスラー出版社:さ・え・ら書房
生まれつき足が不自由な主人公トーマスは、自分の障がいに気をとられるあまり、思いやりの気持ちを忘れて育ちます。ある日、学校の成績に悩んでいた4つ下の弟が自殺します。
弟に厳しく当たっていた母や家に帰らない父のせいだと家族を責めるトーマス。しかし、友達になったスージーに自分に非はなかったのかととがめられ…。
弟のために何かできることはなかったのかと考え始めたトーマス。少しずつ、弟の死、家族との関係に向き合っていきます。
困っている友達や、家族がいないかと、自分のことに置き換えて考えてみるよいきっかけになる物語です。自分ばかり大変だ、つらいな、と感じたときに読んでみると、今までと違った気づきがきっとあると思います。
トーマスの気持ちの変化に注目しながら読んでみてください。
書名:江戸の象吉
著者:太田 大輔 出版社:講談社
「潮香るにぎやかな橋が、ギシギシ、ドシンドシンと鳴りだした。
それは、長い鼻をぶらさげ、りっぱな牙がそそり出た、旅姿の象が渡ってくる音だった。」という冒頭から始まるこの作品は、江戸時代が舞台の痛快時代ファンタジー小説です。
登場するのは、はるばる長崎からやってきた象の象吉と象吉をとりまく江戸の粋な動物たちという異色な世界。擬人化された動物達は親しみやすく、活気のある江戸の町には欠かせないユーモラスな存在ばかりです。
誰もが江戸時代にタイムスリップし、江戸っ子になった気持ちを味わう事が出来るのが最大の魅力です。
象吉は、日本橋の「魚犬」という魚屋で働くために江戸に入りますが、まわりで起こる息を呑むような展開に、読みながらドキドキしてしまうこと間違いないでしょう。
個人的には、魚犬の商売敵のイタチ孫兵衛が行ったあくどい商売が露見する場面と、成敗されるお決まりの場面が面白いです。時代劇好きには特に面白い作品です。
書名:10代のための座右の銘
著者:大泉書店編集部 出版社:大泉書店
いつも自分のそばで自分を励ましてくれる言葉、「座右の銘」を紹介している本です。
マザーテレサや坂本竜馬、エジソン、スティーブ・ジョブズ、手塚治虫など、みなさんが知っている有名な人々の、心に響く一言が掲載されています。
人物のプロフィールや、言葉の出典も書かれているので、より深く、その言葉について知ることができます。
4月になり、一学期の目標はもう決まりましたか?小学校高学年や中高生のみなさん、この本を参考に、新しい目標を決めてみるのもおすすめです。
「実行力のある人」や「苦難に勝てる人」になる言葉など、なりたい理想像ごとに項目が分かれているので、気になる項目から自分にぴったりな一言を探してみてください!
書名:ふまんがあります
著者:ヨシタケシンスケ 出版社:PHP研究所
「おとなってズルい!」みなさんはそう思ったことはありませんか?私もずっとそう思ってました。
でもおとなにはおとなの事情があります。おとなはみなさんに「早く寝なさい」と言います。
それは、みなさんに早寝早起きをしてほしいわけではなく、みなさんが寝たあとにおいしいものを食べるわけでもなく、本当の理由があるんです。それは…。
また「寝る前におかしを食べてはダメ」とも言います。それは、虫歯になってしまうからではなく、健康に悪いからというわけでもなく、本当の理由は…。
じつはおとなも「こどもってズルい!」と思っているのです。こどもはすきなものをたくさん作ってもらえますし、ほしいものをたくさん買ってもらうこともできます。
こどもが「おとなってズルい!」と思っているように、おとなも「こどもってズルい!」と思っているのです。
同時に、こどももおとなもお互いのことを“大切”だと思っているのです。