おすすめの1さつ

県立図書館館館けんりつとしょかんのおすすめのほん(平成28年10月)

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おすすめの本

書名しょめい:『お伽草子
著者ちょしゃ:太宰治  出版社しゅっぱんしゃ:未知谷
「走れメロス」や「人間失格」といった有名な小説を描いた太宰治が、「瘤取り」「浦島さん」などのお伽話を面白おかしく書いています。戦争中に書かれた作品で、楽しい話で心を和ませたいという思いがあったのかもしれませんね。 たとえば「カチカチ山」。ウサギは少女、タヌキはそのウサギに恋をしている男、という設定で物語が進んでいきます。 タヌキはウサギに好いてもらうために、年齢をごまかしてかっこつけたり、唐辛子の薬を色白になれると顔中に塗って苦しんだりと、いろんな意味で痛々しい様子。 子どもの頃に読んだときは、悪いことをしたら罰が当たるという教訓を得ていたのですが、この物語からはまた違った教訓も得られて新鮮ですよ。何より、ウサギとタヌキのテンポのよい会話が読んでいて笑えます。 文豪の書いた作品を気軽に楽しんでみませんか。中学生からおすすめの一冊です。


おすすめの本

書名しょめい:『生きものの持ちかた その道のプロに聞く
著者ちょしゃ:松橋 利光  出版社しゅっぱんしゃ:大和書房
『その生きものの事なら任せろ!』というプロフェッショナルが伝授する、身近な動物、虫、爬虫類、果ては危険生物の持ち方が書かれた本です。 蝶などの昆虫はどう手に持つべきか、ペットの犬や猫はどう抱っこすればいいのか、そうした生きものを扱う一歩目を学ぶのに最適な本でしょう。 これは子どもたちだけでなく、大人も一読する価値があります。なぜなら、子どもから「あの虫取って。」「動物抱っこして。」とか、家族からゴキブリやヤスデを退治する任務を与えられるかもしれません。 その時に虫や動物の持ち方をマスターしていればかっこよく持っているあなたを家族は見直すことでしょう。 なんてあの人はかっこいいのだろうと学校や家庭でヒーローになるもよし、生きものマスターへの道を切り開こう。


おすすめの本

書名しょめい:『引き出しの中の家
著者ちょしゃ:朽木祥  出版社しゅっぱんしゃ:ポプラ社
 体の弱い七重はおばあさんの家で暮らすことになり、そこで「花明かり」と呼ばれる小人の独楽子(こまこ)に出会います。七重は引き出しの中に手作りした小さな家に独楽子を招待します。人形用の小さなカップに紅茶を入れて、クッキーも小さく切っておもてなし。お礼に独楽子は小さなスリッパを手作りし、プレゼントしてくれます。
 手作りのベッドカバーや、猫足のバスタブ、シャンパンのコルク栓で作った椅子。想像するだけでわくわくするかわいい家の様子に心が躍ります。
 仲良くなった二人は、春に小さな盆栽の桜でお花見をしようと約束しますが、七重の病気が重くなり、約束が果たせぬまま会えなくなってしまいます。
 何十年と時が流れ、薫という少女が七重の住んでいた家に遊びに来て、再び花明かりに出会います。お花見の約束は果たせるのでしょうか?小人と二人の少女の心温まるファンタジーをお楽しみください。


おすすめの本

書名しょめい:『デブの国 ノッポの国
著者ちょしゃ:アンドレ・モロア  出版社しゅっぱんしゃ:集英社
 森へ散歩にでかけたデブのエドモンと、ノッポのチエリー兄弟。ふたご岩の間を降り、ながいながいエスカレーターの先には地下の国がありました。デブの国とノッポの国です。太っているかやせているかの理由で、二人はバラバラになってしまいました。
食べたり、眠ったり、のんびりした毎日を過ごすデブの国の人々。走ったり、運動をしたり、デブの国の人とは対照的に毎日をせかせかと過ごすノッポの国の人々。そんな二つの国が、国の間にある島の名前をめぐって争いをはじめることに……。さてその結果はいかに。
見た目や生き方の違いで人を区別し、意地を張り、争う。世の中では、今日も争いごとは絶えません。他人の良いところを認め、互いを理解し、共に協力し合う、そんな気持ちを教えてくれる本です。大人の方にも読んで欲しい一冊です。


おすすめの本

書名しょめい:『マララ
著者ちょしゃ:マララ・ユスフザイ  出版社しゅっぱんしゃ:マララ・ユスフザイ
 みなさんは、史上最年少でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイを知っていますか。 この本には、女の子は産まれてくることすら祝福されないという過酷な現実と、タリバンという恐ろしい組織支配の中で、十代の少女マララ・ユスフザイが、信じられないほど気高い勇気で強く生きていく様子が描かれています。              マララの住んでいたパキスタンという国は、毎日のように些細な理由で簡単に人が殺されてしまいます。女性は、自由に一人で外も歩けないし、ブルカと呼ばれる爪先から頭のてっぺんまでを覆う長いベールを被らなければいけません。つまり、女性差別が激しい国なのです。                 そういった中、命を狙われても女子の教育のために声を上げ続けるマララには心打たれます。日本では平和なくらしが当たり前に思えても、世界のどこかでは日本で当たり前でないことが起こっていると分かってもらえるでしょう