おすすめの1さつ

県立図書館館館けんりつとしょかんのおすすめのほん(平成29年3月)

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おすすめの本

書名しょめい:『春の妖精たち
著者ちょしゃ:奥山多恵子  出版社しゅっぱんしゃ:福音館書店
 ようやく温かくなり始め、花咲く春がやってきました。この本は、森や林の中で、雪解けていち早く姿をあらわす「スプリング・エフェメラル」といわれる植物たちを紹介しています。
 スプリング・エフェメラルとはどんな植物で、どんな花を咲かせるのか、皆さん知っていますか。また、なぜまだ寒さの残る時期から急いで花を咲かせるのでしょうか。なんだかあわてんぼうの植物のようにも見えますね。この本を読むと、その特徴や、早咲きの理由がよく分りますよ。それぞれの花に興味がわいたら、植物図鑑で詳しく調べてみるのもいいですね。
 雪解けを待ちわびる植物たちと一緒に、皆さんも季節の移り変わりや、春が来た喜びを感じながら読んでみてください。小学校中学年からおすすめです。        


おすすめの本

書名しょめい:『世界でいちばん貧しい大統領からきみへ
著者ちょしゃ:くさばよしみ 出版社しゅっぱんしゃ:汐文社
 「世界で一番貧しい大統領」と言われたウルグアイのホセ・ムヒカさんの言葉をまとめた日本の子どもたちへのメッセージ本です。
 「わたしがもっとも大事だと思うのは、命と幸せなんだ。だって奇跡なんだよ、生きているということは。何よりも価値があり、短く、二度と戻ってこない。だから、この世にいる間にできるだけ幸せに暮らすことを心掛けるべきなんだ」銃撃や牢獄生活などの経験を乗り越えてきたムヒカさんの心にしみる言葉の数々。国民の一人として、豪華な生活を求めず、あくまでも国民と同じ暮しを望んだムヒカさん。世界でいちばん心豊かな大統領だったのではないでしょうか。
 人生で本当に大切なものは何か、幸せとは何かを考えるきっかけとなる一冊です。世界の人々から絶賛された彼のスピーチが「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」という本にもまとめられています。ぜひ、そちらも合わせて読んでみてください。                        


おすすめの本

書名しょめい:『車夫
著者ちょしゃ:いとうみく  出版社しゅっぱんしゃ:小峰書店
 「自分の居場所」というものを考えてみたことはありますか? 家や学校、習い事や部活……たくさんの場所や人との関わりの中に、「ここが自分の居場所だ」と確かに思えるものがあるでしょうか?
 17歳の吉瀬走は、あることをきっかけに、ひとり車夫(人力車の引き手)の世界に飛び込みます。
 親を失い、部活も高校も辞め、世界がひっくり返ったように感じて自分の居場所を見つけられないでいた走ですが、親方の引く人力車に乗ったことで、その仕事に魅力を感じるようになり、車夫として働く中で少しずつ周りとの繋がりができていきます。その繋がりは、どれも温かく優しいものです。
 自分の足で立つこと、変わってしまった自分の世界を受け入れること。そのどちらも、決して簡単なことではありません。それでも前を向いて走る。風を切り、自らの居場所を見つけて人生を切り開いていく走の姿に、尊さと力強さを感じます。
 


おすすめの本

書名しょめい:『春へつづく
著者ちょしゃ:加藤千恵  出版社しゅっぱんしゃ:ポプラ社
 卒業式の朝、あなたはどんなことを想い、考え、学校へ向かいますか?
 仲良しの友達と過ごした校舎、憧れの先輩の姿を追いかけた日々、きっとさまざまな思い出を胸に登校することでしょう。
 この学校には、不思議なうわさがあります。
学校の3階にある「あかずの教室」が、卒業式の日の朝だけ扉が開くというのです。普段は鍵がかかって入ることのできない「あかずの教室」でおこることとは……。
 学校生活、好きな人のこと、将来を悩む中学生たちや、中学校で働く学校司書の姿などをリアルに描いた八つのストーリーで構成されています。1話ずつ完結しているので、読みやすく、それぞれが切なくとも温かな余韻を残す作品となっています。
 もし、あなたの学校にも「あかずの教室」があるのであれば、あなたはどんな願いを胸に卒業式の朝を迎えるのでしょうか。