おすすめの1さつ

県立図書館館館けんりつとしょかんのおすすめのほん(平成29年4月)

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おすすめの本

書名しょめい:『チームふたり
著者ちょしゃ:吉野万理子 出版社しゅっぱんしゃ:学習研究社
 小学校6年生の大地は卓球部のキャプテンです。引退試合でベスト8に入り、県大会に出場するのが目標です。しかし、先生から発表されたダブルスのペアは、自分より弱い5年生の純でした。同級生の誠とペアになりたかった大地はショックを受けます。
 そんな中、お父さんが会社をクビになり、主婦だったお母さんが働き始めると、家の中がばたばたしていて、卓球どころではなくなってきた大地。引きこもるお父さんへの不満をお母さんに話すと、お母さんは、お父さんとチームで助け合っていると言います。お母さんはお父さんを助けたいと。そして、部活を頑張るように励まされ、大地は再び卓球に打ち込みます。
 練習の中で純の優しさにふれた大地は、お母さんの言った「チーム」について少しずつ理解し始めます。お互いに助け合い、ふたりの絆が強まっていくところにとても感動します。チームっていいな、部活を頑張ろう、そう思わせてくれる一冊です。


おすすめの本

書名しょめい:『ゆっくりがいっぱい!
著者ちょしゃ:エリック・カール 出版社しゅっぱんしゃ:偕成社
 4月は始まりの月。「早く、早く!」「急がないと遅れるよ!!」そんな声があちこちで聞こえそう。でもちょっと待って。ナマケモノくんを見習ってゆっくりしてみようよ。見えない何かが見えてくるかもしれない。いい考えが浮かぶかもしれない。
 忙しい時こそ、のんびりするのも大切です。「ぼくのなかにはゆっくりがいっぱい! ……でもなまけているんじゃないんだよ」敵の多いジャングルでどんと構えている勇気はどこから湧いてくるのでしょう?
 ナマケモノくんに語りかける動物たちや木々の鮮やかさが目にしみます。
 1ページずつナマケモノくんのゆっくりペースで読んでほしい本です。


おすすめの本

書名しょめい:『みどりのゆび』
著者ちょしゃ:モーリス・ドリュオン 出版社しゅっぱんしゃ:岩波書店
 皆さんが、どんな場所にでも花を咲かせる力を持っていたら、どんなことをしますか?
 ミルポワルという町に、チトという男の子がいました。八つになったチトは学校へ行くことになりましたが、「ほかのお子さんとおなじでありません」という手紙を持たされ、帰されてしまいます。そこでチトの両親は、物事を実際に観察しておぼえる教育方法をこころみることにしました。このことがきっかけで、チトは自分が「みどりのおやゆび」を持っていることを知ります。その力を発見し、理解してくれる庭師のおかげでした。チトは囚人や貧しい人々、病人に出会い、自分が持っている力で世の中を良くしていこうと考えるようになります。そして、とうとう戦争をやめさせる方法まで思いついたのです。
 チトはどのようにして、戦争をやめさせたのでしょうか。おとなの言うことに疑問を持ち、勇気ある行動をとったチトの物語です。詩的な美しい文章を味わいながら読んでください。


おすすめの本

書名しょめい:『恋の相手は女の子
著者ちょしゃ:室井舞花 出版社しゅっぱんしゃ:岩波書店
 この本の著者は室井舞花さん。性別は名前からお察しのとおり女性です。そんな彼女の「恋の相手は女の子」。おっと、ここでご案内。この本、小説ではありません。
 皆さんはLGBTってご存知ですか? レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの英語の頭文字で、社会の中で「これが普通」だと思われている「性のあり方」に当てはまらない人たちの総称として使われることが多い、と解説があります。生田斗真さんがトランスジェンダーの女性役で主演された「彼らが本気で編むときは、」という映画も公開され、昨今だいぶ浸透してきたかなと感じる言葉です。
 著者の室井さんは、自分がレズビアンであることに悩み、誰にも打ち明けられなかったそうです。でも、今の彼女は明るく活発で、結婚式も挙げ、周囲に祝福されました。彼女の心の葛藤、体験、幸せ、この本で伝えたい想い、ぜひ感じ取ってみてください。


おすすめの本

書名しょめい:『食べられたがる果物のヒミツ
著者ちょしゃ:盛口 満 出版社しゅっぱんしゃ:少年写真新聞社
 皆さんは、果物は好きですか?
果物は甘くて、いい香りがするので好きな人も多いはずです。では、なぜ果物は甘いのでしょうか?
 その理由は、ずばり「食べられたがっている」からです。
 果物は実の部分で、中には種子が入っています。果物は自分で動くことができないので、種子を遠くへ運んでもらうため、甘みや香りで動物などをひきつけ、実ごと種子を食べてもらうよう工夫をしています。
 この本は、身近なものから珍しいものまで、さまざまな果物を取り上げ、そのヒミツをカラフルなイラストを使って解説した科学絵本です。普段何気なく食べている果物。そこには、子孫を残すための工夫がたくさん詰まっています。果物を食べる前に、じっくり観察してみましょう。きっと今まで知らなかった果物のヒミツが見えてくるはずです。