おすすめの1さつ

県立図書館館館けんりつとしょかんのおすすめのほん(平成29年6月)

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おすすめの本

書名しょめい:『ジョージと秘密のメリッサ
著者ちょしゃ:アレックス・ジーノ 出版社しゅっぱんしゃ:偕成社
 主人公のジョージは10歳の男の子です。でも本当は違います。ジョージの心の中は女の子なのです。トランスジェンダー(心と体の性別が違う人)であるジョージは、そのことを秘密にしていましたが、次第に「本当の自分を分かってほしい」と思い、身近な人たちに打ち明けます。親友のケリーや兄のスコットは、最初は戸惑いながらもジョージを受け入れてくれますが、一番分かってほしいと思っていたジョージの母親はなかなか理解してくれません。大好きな母親に何とか分かってほしいと、ジョージは行動を起こします。
 家族や友人の何気ない言葉に傷つくジョージの姿は、読んでいてとても切なくなりますが、やがて現れるジョージの理解者たちの言葉は、私たちの心を温かくしてくれます。
 トランスジェンダーでなくても、日常の中で私たちは何となく孤独だったり、ちょっとした違和感を持つことがあるのではないでしょうか。そんな時、この物語は私たちの味方になってくれると思います。

      


おすすめの本

書名しょめい:『恐竜は今も生きている
著者ちょしゃ:富田京一 出版社しゅっぱんしゃ:ポプラ社
 恐竜の中でも有名なティラノサウルス。その姿を思い浮かべる時には、ウロコのような、岩のような、ゴツゴツした黒っぽい皮膚を想像する人が多いかもしれません。
 実はそのイメージ、最新の研究では全く違うものになっていることを知っていますか?
 なんと、ティラノサウルスには、ヒヨコみたいなふさふさとした羽毛が生えていたのです!
 この本は、「恐竜に羽毛が生えていた」という話から恐竜の生きていた時代、生態と進化についてなどが詳しく書かれています。
 絵や写真を使った解説も多いので、恐竜が好きな人はもちろん、恐竜のことをあまり知らない人が見ても分かりやすく、楽しく読めます。
 タイトルの「今も生きている恐竜」とは、恐竜の子孫のこと。最後まで読むと答えにたどり着きますが、見慣れている“あの動物”がそうだなんて…。ヒントは本の中に書かれているので、ぜひ想像しながら読んでみてください。
                


おすすめの本

書名しょめい:『本好きの下剋上
著者ちょしゃ:香月美夜 出版社しゅっぱんしゃ:TOブックス
 本が大好きで本がないと死んでしまうような活字中毒の女子大学生が、記憶を持って生まれ変わった先は本のない異世界。しかも5歳の病弱な女の子マインに転生してしまいます。本が欲しくても誰も「本」を知らないから(この世界では高価なもので庶民には手の届かない存在だから)どうやっても手に入りません。手に入らないからなおさら欲しくて欲求が募り「本がなければ自分で作ればいい!」と思い立ちます……。
 紙もインクも高価で、便利な現代と明らかに違う世界。「紙やインクもないなら自分で作ればいい!」でも5歳の女の子には困難が多くとても難しいことです。現代の知識を駆使してマインは本を作るため、紙やインクを作ろうと奔走します。            マインと一緒に本のない世界で、一から本を作ってみませんか?
 


おすすめの本

書名しょめい:『幻狼 神異記I
著者ちょしゃ:横山充男 出版社しゅっぱんしゃ:ポプラ社
 自分に害を与えた者に対して発動する、狼のようにほえ、かみつき、相手を傷つけてしまう謎の力。宗方健はそのせいで周囲となじめず転校をくり返していた。「自分の中には得体の知れない魔物のようなものがいる」。幼い時からその力におびえていた健だったが、転校した中学校で告げられた一言によって運命が変わってゆく。「君には狼霊がとりついている」。
 やがて健は満月の光の下、狼をねらって動き出す闇の一族との戦いに巻き込まれてゆく。
 普段は自分を出せず苦しむ健が、狼霊と向き合ってゆく中で少しずつ内面が変化してゆく過程に目が離せない。狼霊の力強い咆哮(ほうこう)に思わず胸が熱くなる。
 全部で三巻ある『幻狼 神異記』の第一作目。