県立図書館館館のおすすめの本(平成29年7月)
書名:『迷いクジラの子守歌』
著者:安東みきえ 出版社:PHP出版社
かあさんにしかられ、かあさんのもとから飛び出して迷子になってしまったクジラの子ども。
クジラの子どもは迷子の途中、口の中にたくさんの稚魚をいれたネンブツダイや親を知らないイワシたちなどさまざまな海の生き物と出会います。
クジラの子どもは、かあさんとの楽しかったたくさんの思い出をみんなに話していくうちに、かあさんの大きさや優しさを思い出し、泣き出してしまいます。
満月が明るく照らす海の中でクジラのかあさんの『ぼうや』を呼ぶ歌声が聞こえてきます。
クジラの子どもは無事にかあさんに会うことができるのでしょうか・・。
海の生き物たちがつくり出す7つの感動の物語を、あなたの大切な人のことを思い浮かべながら読んでみてください。
その人の大切さや優しさを改めて実感できる一冊です。
書名:『人類やりなおし装置』
著者:岡田 淳 出版社:17出版
ある夏の日、研究の区切りがついた教授は、新聞を読んでいました。書かれている記事は戦争、環境汚染、交通事故、金に目がくらんだ役人、いじめなどの悪いニュースばかりです。
今までもうけ話にしか関心を示さなかった教授ですが、世界の平和のために「人類やりなおし装置」を作ることを宣言。特別な波を出す装置で、その波にふれたものはすべて植物に変わるというのです。助手は舌を巻きました。人類にとってよくないものを植物に変えるなんて、とてもすばらしいアイデアに思えたのです。しかし、本当にすべて植物に変えてしまっても大丈夫なのでしょうか。助手は植物に変えてはいけないもののリストを作ることになりました。
みなさんなら、リストに何を書きますか。助手のリストの内容を確認してみてください。装置のスイッチを入れたときに何が起こるかわかるかもしれません。
クスッと笑ってしまう教授と助手の物語です。
書名:『スワン 学習障害のある少女の挑戦』
著者:漆原智良 出版社:アリス館
みなさんの周りにもいるかもしれません。外見は普通なのに勉強ができない。忘れものが多い。記憶があいまい。
美香はそんな女の子でした。特に学校での勉強は、苦痛でしかなかったのです。小学生の時から勉強が遅れがちになり、中学生になると、合唱でみんなとうまくあ合わせられなくて『スワン』といじめをうけ、2年生からは障害児学級で学ぶことになります。
成人になっても、自分のことが分からず悩み続けていた美香ですが、ある時、自分が発達障害のひとつである学習障害(LD)であることを知ります。
小さいころから絵が好きで、空想好きだった美香は、絵本作家になるという目標を見つけました。障害があっても夢に向かって頑張る姿は、障害を抱える人だけでなく、すべての夢を持つ人に勇気を与えてくれます。
このような障害について、もっとみんなが理解しなければいけないと考えさせられる本です。
書名:『ぼくのプールサイド』
著者:今井恭子 出版社:学研教育出版
人や生き物を傷つけたり、物をこわしたりして過ちを後悔し、心を痛めたことはないでしょうか?
主人公健の父は、若いころ、太ももにけがをしたせいで、左足をちょっとひきずって歩きます。そのけがの原因を作ったのが自分だと知った時、深い苦しみが健をおそいます。その過ちを通して家族へ思いを伝える勇気を教えてくれる一冊でもあります。
自分が痛みを知ることにより、人の苦しみや悲しみを感じる力をつけてほしいと思います。
自分が痛みを知らなければ、人の苦しみや悲しみを感じる力はつきません。経験をすることはできなくても、本を読むことによって味わって欲しいです。だれでも多かれ少なかれ罪の意識があるはずだから。
書名:『ぼくのニセモノをつくるには』
著者:ヨシタケ シンスケ 出版社:ブロンズ新社
ぼくのまわりにはやりたくないことだらけ。
宿題にお手伝いに部屋のそうじ……。
そうだ、ぼくのニセモノにぜんぶやってもらおう!と、いいことを思いついたけんたくん。さっそくロボットを買いに行きます。
ぼくそっくりになってもらうために、自分のことをロボットに教えます。
好きなもの、きらいなもの、できること、できないこと。トマトは好きだけど、ピーマンはきらい。
みんなが知らない自分がいる。
考えれば考えるほどたくさん出てきます。
自分のことを考えるってめんどうくさい!
けど、なんだか楽しい!
ぼくって、わたしってどんな子なんだろう。
ちょっとだけ、自分のことを考えてみませんか。