おすすめの1さつ

県立図書館館館けんりつとしょかんのおすすめのほん(平成29年11月)

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おすすめの本

書名しょめい:『子どもの「なんで?」にキッパリ答える本』
著者ちょしゃ:小泉十三 出版社しゅっぱんしゃ:河出書房新社
 「なんで?」
 そう、小さい子が無邪気な顔で尋ねている様子を見たことはないですか? かく言う私も、延々と続く“なんでなんで攻撃”に被弾した一人です。これは一体いつまで続くのだ……と、なかなかに追い詰められました。子どもの「なんで?」は、時に大人の頭を抱えさせる攻撃力があるようです。
 さあ皆の者、「なんで?」に立ち向かおうではありませんか。
 ほら、ここに強い味方となる一冊がありますよ。「『ハー』と吐く息と『フー』と吐く息ではなんで温度が違う?」「チョコレートは“ニキビの元”ってホント?」などなど、167もの疑問に答えられています。なるほど、なんで?と、子どもでなくとも思うものが山のように。すっかり自分が質問者になった気分で読み進めてしまいました。興味あるものから選べばいいので、気軽に読書ができるのもいいですね。
 子どもの「なんで?」対策に、自分の疑問を解消するために、ぜひどうぞ。

おすすめの本

書名しょめい:『長い長いお医者さんの話』
作者さくしゃ:カレル・チャペック 出版社しゅっぱんしゃ:岩波書店
 題名に「長い長い」とありますが、読む人にとっては長い話ではありません。
 ずっと昔、ヘイショヴィナという山に、マジャーシュという気まぐれな魔法使いが住んでいました。あるとき、マジャーシュはウメの実を食べながら、弟子がふしぎな薬を作る様子を見ていました。鍋がこげついてきたので、マジャーシュは弟子をどなりつけようとします。しかし、あわてていたのでウメの実を種ごと飲み込んでしまったのです。それを見た弟子は、急いで医者を呼びに行きました。弟子が連れてきた医者は、さらに3人の医者を呼び、その医者たちはそれぞれが妖精やカッパを治療したときのことを語り聞かせます。冷や汗をかきながら早くなんとかしてほしいと待つマジャーシュでしたが、さて、医者たちは助けてくれるのでしょうか。
 この本には他にも八つのお話が入っています。チェコの作家、カレル・チャペックの楽しいお話と、兄ヨセフのゆかいな挿し絵が魅力の童話集。

おすすめの本

書名しょめい:『えんの松原』
作者さくしゃ:伊藤遊 出版社しゅっぱんしゃ:福音館書店
 これはまだ、闇の中に鬼や物の怪がひそんでいたころの物語。
 華やかににぎわう都のまん中に、暗く濃い闇に包まれた松原がありました。そこには、人々に災いをなそうと、黒い鳥の姿をした怨霊たちが、夜な夜な集まると言われます。
 そんな怨霊に呪われた若き皇子・憲平は、
宮中で女装して暮らす少年・音羽と出会います。
 夜とともにあらわれる怨霊の影におびえる憲平をなんとか助けたいと、音羽は、怨霊の正体を探るため「えんの松原」へと向かうことを決意します。音羽の勇気は、憲平の運命を切り拓くことができるでしょうか。
 とにかく暗くて怖そうな闇夜のお話ですが、反面、日の光や、人の優しさ、温かさも際立って感じられます。1000年の時をさかのぼり、平安時代の闇と光を味わってみてください。

おすすめの本

書名しょめい:『トランプおじさんとペロンジのなぞ』
作者さくしゃ:たかどの ほうこ 出版社しゅっぱんしゃ:偕成社
 哲学者のトランプおじさんは、変わり者だと評判です。どのくらい変わり者かというと、動物とおしゃべりができる上に、動物の文字が読めるのです。
 そんなトランプおじさんは、新聞を読むのが大好き。人間の新聞だけではなく、動物の新聞も読んでいます。
 しかし最近、もぐら町の新聞社「もぐらクラブ」から、白紙の新聞が届くようになりました。その理由が気になって、もぐろうさんに尋ねてみると、前日に印刷したはずの新聞の文字が、翌朝になると消えてしまうという謎の事件が起こっているというではありませんか。しかもその事件には、文字をなめてしまう伝説の妖怪「ペロンジ」が関わっているそうで……。
 新聞を守るため、トランプおじさんと愛犬イルカーネポポラーレが事件の謎に迫ります。
 謎を解き明かすたびに、あっと驚く展開が待っていて、ハラハラドキドキすること間違いなしです。読後には、家族の大切さにも気づかせてくれる心温まる一冊です。