県立図書館館館 のおすすめの本 (平成29年12月)
突然12歳の少女に降り掛かってきた不幸。それは、少女の心に大きな悲しみの渦となって襲い掛かってきました。深い悲しみから、授業中に急に泣き出したり、泣きながら教室を出ていったり、お昼休みに学校から家に戻ったり、おかしな行動をとるようになり、学校に行けなくなりました。夏休みの間、アメリカにいるおばさんの所に預けられることになり、そこから少女の魂の再生物語が始まります。
誰でも、多かれ少なかれ心に傷を持っていると思いますが、誰もが親や家族の愛を受け、この世に生まれてきたことに自信を持って生きてほしいと思わせてくれる一冊です。また、今、幸せの真っただ中の人は、周りに心弱っている人がいたならば、そっと寄り添ってあげてくださいね。
最後の「未来から届いた手紙」に心が震えました。
この本は、お化けや怪談とは一味違う怖い話。
主人公のサイモンは、寄宿学校で学んでいます。
夏休みに入り母親から再婚した事を知らされ、新しい父親の元で過ごすことになりました。
事実を受け入れることができず、家族と衝突したサイモンは、次第に孤独と憎悪を深めていきます。その過程はサイモンの暗い孤独の闇に引きずり込まれるような恐ろしい気分になります。そんな中、近所に水車小屋を発見します。打ち捨てられた水車小屋に親近感を持ちますが、そこはまがまがしいいわく付きの水車小屋でした。
とうとう家族との間に大きなひびが入った時、突如水車小屋に現れた3体のかかし。
家族の家を狙うように近づいてきます。
サイモンはかかしや自らの感情に打ち勝つことができるのでしょうか?
不気味な話と不安定な少年の心を呼応するように描いたこの話の最後は、面白さと恐怖でページをめくる手が止まりません。
待ちに待ったスキー旅行。小学生の僕は出発前にガスの元栓は閉まっているかなど、家の点検をします。すると、抜いたはずのこたつの電源が入っています。こたつ布団をめくると、なんとストーブがこたつの中にもぐり、「こたつサイコー! 今日から冬休みなんや」と言いながらくつろいでいます。どうやら、家族が旅行に行っている間、ストーブも冬休みを楽しむみたいですよ。
動き回るストーブを家に残しておくのは危ないので、一緒にスキー旅行に連れて行きます。洋服を着せてもらったストーブは、僕の弟みたいに見えます。
さて、ストーブはどんな冬休みを過ごしたのでしょうか? スキーは上手にできたかな?
ストーブと僕がまるで本当の兄弟のように旅行を楽しんでいる様子に、にっこりほほ笑みたくなる一冊です。
主人公の少年ハルは、長い間ずっと犬が欲しいと思っていました。誕生日やクリスマスには決まって「犬がほしい」と両親にお願いしていましたが、犬は家を汚すからダメだと全く聞き入れてもらえません。お金持ちの両親は、ハルが欲しいものは何でも与えていると思っていました。
10歳の誕生日もまたいつものように終ろうとしていましたが、ついに父親が犬を探しに行こうと言ってくれたのです。ペットショップで一目でひかれ合ったフレックとの生活は、想像していたよりもはるかに素晴らしく夢のようでした。しかしフレックはすぐにペットショップに戻されます。週末だけのレンタルペットだったのです。そのことを知ったハルはある決心をし、行動をお越します。
ハルがフレックと一緒にいるためにさまざまな困難に立ち向かっていく姿は、ハラハラドキドキしながら心が温かくなります。
犬を飼ったことがある人も、そうでない人もぜひ読んでみてください。