おすすめの1さつ

県立図書館館館けんりつとしょかんのおすすめのほん(平成30年2月)

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おすすめの本

書名しょめい:『サウスポー』
作者さくしゃ:ジュディス・ヴィオースト 出版社しゅっぱんしゃ:文溪堂
 「あんたのチームに入れてくれないんなら、あんたと友だちになるのはおことわり。 もと友だちのジャネット」
 「ぼくがキャプテンのあいだは、ぜーったいに女は入れない。 もと友だちのリチャード」
 ささいなことから始まった2人のけんか。お互いに意地を張ってしまい、手紙のやり取りはエスカレート。ついにリチャードは、言い過ぎたジャネットに「サイテーだ」と怒ってしまいます。
 本当は仲直りしたいのに、「ごめんね」のひとことが言えない……。素直になれない2人のもどかしい気持ちが、手紙の文面から伝わってきます。
 それでも少しずつ縮まる2人の距離に、ちょっぴりドキドキ。最後のリチャードからの手紙には、思わずキュンとしてしまいます。鉛筆で描いたような温かい絵も、物語の雰囲気にとても合っていて魅力的です。
 ほんのり甘酢っぱい、小さな恋のお話。

おすすめの本

書名しょめい:『屈折万歳!』
著者ちょしゃ:小島慶子 出版社しゅっぱんしゃ:岩波書店
 自分のことは好きですか? そう問いかけるのは、著者の小島慶子さん。元テレビ局のアナウンサーで、現在はタレント・エッセイストです。テレビで見たことある! という人もいるのではないでしょうか。
 小島さんは幼い頃から家族や友達との関係に悩んでいたそうです。この本はそんな著者自身の経験を基に家族、社会、自立についてつづったエッセーです。
 小島さんは、辛い時は辛いと言っていいんだよ、と書いています。どの人の痛みも尊重されるべき、という言葉は屈折した人生を送ったことのある人だからこそ出てくるとても優しい一言です。
 みなさんにとって、学校や家族が主な社会だと思います。今いる世界を広げ、さらに広い場所へと飛び立つための知恵を身につける一冊です。華やかな経歴なのに悩みとかあるの? と思った人にはさらにおすすめします。まずはページを開いて、気になったところから読んでみてください。


おすすめの本

書名しょめい:『イクバルの闘い』
作者さくしゃ:フランチェスコ・ダダモ 出版社しゅっぱんしゃ:すずき出版
 平和で豊かな日本にいると、遠く離れた世界の国で貧困にあえぐ子どもたちがたくさんいることが想像できないと思います。このお話は、そんな貧困からくる児童労働の不当と闘った勇気ある少年の実話をもとにして作られたものです。
 パキスタンでは、子供たちが親の借金のかたに売り買いされ、じゅうたん工場やレンガ工場で働かされています。狭い場所に閉じ込められ、ほとんど無給で何年も働かされたりしています。
 そんな厳しい環境の中でイクバルは、子供たちの生きる権利のために闘い、子供たちを解放していきます。10歳で人権団体の助力により解放され、アメリカで「行動する青年賞」の奨学金をもらい大学へ行く夢が広がりますが、その直後に何者かの銃弾に倒れてしまいます。
 世界にはこういう子供たちがまだまだたくさんいることを知り、子供たちが良い環境で楽しく過ごせるように、私たちに何ができるか考えさせられる一冊です。

おすすめの本

書名しょめい:『モノの数え方えほん』
監修かんしゅう:町田健 出版社しゅっぱんしゃ:日本図書センター
 私たちの身の回りにあるモノは、「動物」「食べ物」「機械」などに分類することができますが、その数え方は、同じ分類の中でもさまざまあります。
 例えば動物なら、牛は1「頭」、猫は1「匹」、スズメは1「羽」。みなさんも普段何気なく使っていると思いますが、「頭」と「匹」で数える動物は何が違うのか、疑問に感じたことはありませんか?
 この数え方には、実は基準となるルールがあります。この本は、それをわかりやすく解説して、モノの数え方を楽しくしてくれる一冊です。
 先ほどの「頭」と「匹」であれば、人間より大きな動物は「頭」、人間より小さな動物は「匹」で数えるというルールがあり、また、「羽」で数えるのは羽を持つ鳥です。
 ではここで問題。鳥の中でも「羽」以外の数え方をするモノがいるのですが、「面」で数えられるその鳥は……? 答えは、ぜひ本を読んで探してみてください。
 読み終わったら、きっといろいろなモノを数えてみたくなるはずです。