おすすめの1さつ

県立図書館館館けんりつとしょかんのおすすめのほん(平成30年4月)

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おすすめの本

書名しょめい:『カレーライスを一から作る』
著者ちょしゃ:前田亜紀 出版社しゅっぱんしゃ:ポプラ社
 あなたは、カレーライスを作ったことはありますか?
 この本は、大学のゼミで行われた、カレーを米、野菜、肉、調味料、食器に至るまで、一から作ってみるという試みの記録です。
 植物は種をまき、鳥はひなから育て成長を見守ります。経験のない学生たちは、なかなか育たない野菜を心配したり、途中でひなを死なせてしまったり、失敗を繰り返しながら、生き物と向き合うことの難しさを学んでいきます。
 そして、始めてから9カ月、とうとうカレーを作る日がやってきました。カレーを完成させるためには、かわいらしく成長した鳥の命を奪わなくてはなりません。作ったカレーを前に、学生たちは何を思うのでしょうか?
 私たちは普段、お店で買ってきた材料で料理をします。その材料がどうやって作られているのか、どこから来るのかはあまり想像することはありません。命の大切さ、食事ができるありがたさについて感じられる一冊です。



おすすめの本

書名しょめい:『ぼくはクロード・モネ』
著者ちょしゃ:林綾野 出版社しゅっぱんしゃ:美術出版社
 あまり芸術に興味がない人でも、モネの「睡蓮」といえば、聞いたことがあるのではないでしょうか。
 モネもほかの多くの画家と同じように、若い頃には絵が売れず、とても貧しい生活だったそうです。早くから才能を認められながら、なかなか評価されない日々。家族や友人と旅に出ては美しい水辺の風景を描き続け、86年の生涯を画家として生きたといえるでしょう。
 モネは、日本にとても関心がありました。彼は浮世絵に興味があり、そのことは彼の絵の中や、晩年住んだ家に造った日本庭園の竹林にも表れていました。そんな話を聞くと、巨匠と言われるモネに、親しみを感じます。これからモネの絵を見るときには、日本の影響を探してみると面白いかもしれません。
 この本には、モネの作品も紹介されています。彼の生涯とともに、作品を鑑賞することもできる絵本です。



おすすめの本

書名しょめい:『二分間の冒険』
著者ちょしゃ:岡田淳 出版社しゅっぱんしゃ:偕成社
 ハラハラ、ドキドキの展開で最後まで目が離せません。
 小学6年生の悟は、運動場で言葉をしゃべる黒猫・ダレカと出会います。ダレカに刺さった見えないトゲぬきのお礼に、現実世界では2分間に相当する、仮想世界の冒険にでます。そこで出会った少女と、竜を倒す冒険にでかけます。
 深い森の情景、竜の館の仕組み、竜との知恵比べ、迫り来る決戦の時、細やかな描写によって場面がリアルに浮かび上がり、実際にその場にいるかのような感じが高まります。悟は元の現実の世界に戻るために、この世で「最も確かな何か」をみつけなければなりません。
 竜との謎解きの面白さや少年と少女の心のふれあいで竜を倒す読後の爽快さもあり、親子で楽しめるお話です。是非、たくさんの人に読んでもらいたい一冊です。



おすすめの本

書名しょめい:『オチケン!』
著者ちょしゃ:大倉崇裕 出版社しゅっぱんしゃ:理論社
 「君、いい名前をしているねぇ」
 そう言われて越智健一が連れていかれたのは、廃部寸前の落語研究会、通称「落研(オチケン)」だった。
 幽霊が出るという噂の部室に、謎多き二人の先輩。落語のことなんか何も知らないのに、優柔不断で決断力のない性格ゆえに退部もできない。そんなある日、部室で奇妙な事件に遭遇してしまう。
 落語をヒントに謎解きをしていくこの物語。読み終わった後は、少しだけ落語の楽しさもわかって、越智のような落語初心者にもおすすめの一冊。
 そしてなんと言っても、登場人物たちがとっても魅力的。ひょうひょうとしているが、天才的な落語の才能を持つ(らしい)岸弥一郎。一見さわやかで礼儀正しいが、マイペースで押しの強い中村誠一。そんな2人に振り回されながら、授業も出られず、事件を解決するために右往左往する越智。
 果たして謎は解けるのか?そして、落研の存続と越智のキャンパスライフやいかに!?



おすすめの本

書名しょめい:『時知らずの庭』
著者ちょしゃ:小森香折 出版社しゅっぱんしゃ:BL出版
 森の奥のそのまた奥に、「時知らずの庭」とよばれる秘密の庭があります。
 森の園芸学校に通うリスのホップは、学校の先生の紹介で、時知らずの庭で見習い庭師として働くことになりました。
 まだ見ぬ植物との出会いに、期待をふくらませるホップでしたが、そこで待ち受けていたのは、今まで経験したことのない不思議な光景でした。
 時知らずの庭はとても奇妙な庭で、こぢんまりしているようで、どこまで行っても奥に続いています。もちろんそこに生えている植物も奇妙なものばかりです。
 アッカンベー草にグッスリ草、泣きながら脱走するニンジンに踊り歌う豆など、今まで見たことも聞いたこともないような植物に四苦八苦するホップでしたが、優しい仲間に囲まれて、庭師として日々成長していきます。
 植物を通して、周りの人々との絆や友情を深めていくホップの姿に、人を思いやることの大切さを教えられる一冊です。