県立図書館館館 のおすすめの本 (平成30年5月)
低い位置に出た月が、とても大きく見えたことがある人はいませんか?
その現象は実は、<錯視>と呼ばれる目の錯覚が原因で、実際の月は小指の爪の先ほどの大きさにしか見えないはずなのです。
普段空高くに出ている月でも、そんなに小さくは見えていないかもしれません。そんな人は、五円玉でできる簡単な実験をぜひ試してみてください。五円玉を持って、その手をめいっぱい月に向かって伸ばし、その穴から月を見てみると…? 穴にはすっぽりと月が収まっているはず。五円玉を外すとまた月は大きく見えるので、とても不思議な気分になると思います。
この本の物語の中には、そんな不思議な錯覚がたくさん出てきます。主人公のカケルが巻き込まれた宝石の盗難事件に隠された錯覚とは、いったいどんなものか……。ぜひ読んで確かめてみてください。
引っ越しをしようと周旋屋(今でいう不動産屋)に行ったぼく。サン・ハイツという暖かそうで家賃の安いところが見つかったのでまだ空いているか聞いてみると、「安いだけのことはあっていろいろたいへんですよ」と言われた。何だかいわくつきの家らしい。さて、新しい家に着いたら野良猫が現れて一緒にひなたぼっこをしたりして過ごしていたけれど、ある日ぼくの銀行に預けているお金のことまで知っていると言ってきて……。
タイトルを見て気づいた人がほとんどかと思いますが、「ぼく」の住むサン・ハイツの大家さんは猫です。でも一匹じゃありません。なんと47匹!お寿司屋さんの飼い猫になるために面接を受ける猫を手伝ったり、暑い日には子猫たちと「すずしい」を探して町を歩きまわったり、猫と暮らす毎日は、人間の「ぼく」には不思議で楽しいことばかり。読んでいくうちに、きっとあなたもサン・ハイツで暮らしたくなるはずです。
父親にカナダの自宅から、アイルランドのおじさんの家に預けられたローズマリーとジミー。そこで出会った謎の男ピーターの歌声に誘われて、古代のアイルランドにタイムスリップしてしまった!そこでは、コノハト国の女王メイヴが、アルスター国の褐色の牡牛を狙って、戦争を仕掛けていた。アイルランドの神話叙事詩「クーリーの牛捕(と)り」に巻き込まれた姉弟は、無事に自分たちの時代に帰ることができるのでしょうか?
最初はひたすら元の世界に帰りたがっていたふたりが、アルスターの国境でただ一人コノハト軍と戦う若き勇者クーフーリンと出会い友となり、激しさを増してゆくコノハト軍との攻防に身を投じてゆく様子や、物語のカギを握る「ドルイド」と呼ばれる存在の暗躍が描かれているなかで、国と友を守らんと奮戦するクーフーリンがかっこいい。
遠い時代、英雄たちが生きていたころにタイムスリップした気分で楽しめる一冊。
この本には文章が一切ありません。イラストだけです。でもそのイラストを見るだけで不思議とストーリーが浮かんできます。
ある日女の子はふとしたことから赤いマーカーを手に入れます。その赤いマーカーは、描いたものが現実にでてくる魔法のマーカーだったのです。壁に描いた扉から異世界への道が開かれ、たどりついたのは現実とはかけ離れたお城があり、鎧を着た兵士がいる世界。兵士たちに追われながら、数々のピンチにぶつかります。でもご安心を、機転を利かせ赤いマーカーで描いてピンチからちゃんと抜け出します。
さて女の子はどんな物を描いて冒険を突き進んでいくのでしょうか?それはあなたの言葉でお話を創り上げてください。自由にお話を想像して、創作する楽しさを味わってください。