おすすめの1さつ

県立図書館館館けんりつとしょかんのおすすめのほん(平成30年6月)

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おすすめの本

書名しょめい:『ジョン万次郎』
著者ちょしゃ:マーギー・プロイス 出版社しゅっぱんしゃ:集英社
 日本が国を閉ざしていたころ、14歳の万次郎は四国沖で嵐に遭い、漁師仲間と遭難してしまいます。漂流、無人島生活では過酷な日々が続きますが、万次郎は絶望することなく、明るくみんなを元気づけます。その後、万次郎たちは通りかかった捕鯨船に助けられ、鬼と恐れる南蛮人と出会います。しかし恐怖心より好奇心が勝った万次郎は英語を覚え、船長からの信頼を得て、養子として迎えられることになりました。
 アメリカにやってきた万次郎は差別の対象となります。そのとき万次郎の心に響いた言葉がありました。「世界を変える手助けをしない?」この言葉と父が教えてくれた“武士道”が万次郎を支えたのかもしれません。
 世界に飛び出す勇気を持った好奇心旺盛な万次郎の波乱万丈な物語は、読み応え十分です。また、万次郎が描いた絵や、物語の節目に出てくる「葉隠」の言葉にも注目してください。みなさんの好奇心も刺激されるかもしれません。


おすすめの本

書名しょめい:『犬をかうまえに』
著者ちょしゃ:赤羽じゅんこ 出版社しゅっぱんしゃ:文研出版
 小学4年の空斗(くうと)がたんじょう日プレゼントにほしいのは、犬。でも、家の事情でどうしても犬をかうことができません。
 そんな空斗に、「犬の散歩ボランティア」の話がまいこんできました。かいぬしの尾崎さんのかわりに、シーズー犬チャッピーを散歩させることになってはりきる空斗ですが、実際やってみると考えていたよりずっと大変!しつけをしようとしても、チャッピーはなかなか言うことをきいてくれません。自分の思いどおりにならないチャッピーに対する空斗のもどかしい気持ちは、犬をかったことがある人みんなが感じたことがあるのでは。
 この本は、言葉を話せない犬と人間の付き合いがとてもリアルにわかりやすく描かれた本です。犬をかっている人も、犬をかってみたいと思う人にも、ぜひ、この本を通して、犬という“生き物”をかうことの喜びや大変さなどをたくさん感じてほしいです。


おすすめの本

書名しょめい:『水はみどろの宮』
著者ちょしゃ:石牟礼 道子 出版社しゅっぱんしゃ:福音館書店
 瀬渡しの船頭をする爺さまと暮らす7歳のお葉(よう)。爺さまは「人間ちゅうもんは、この川に養われとる」「山があるからこそ川も生まれる。お山は川の、いんや人間の祖(おや)さまじゃ」
と、川を渡る時も山を歩く時もお葉に、話して聞かせます。どこからかやってきてお葉になついている山犬のらん、山の奥深くで見た神様のおんなはる白藤の木、位の高い白狐「ごんの守(かみ)」、さまざまな出会いと体験で、いつしかお葉は山の声が聞こえるようになります。
 作者が「今の子ども達に自然の声を聴き感じ、それを未来に送り続けてほしい」という思いから書いた物語です。
 今私たちは、吹く風・流れる水・草のささやきをどれだけ感じられるでしょう?物語の中に出てくる四季折々の植物。それを慈しむお葉と爺さまの姿に、自然を敬うことの大切さに気付かされます。


おすすめの本

書名しょめい:『はれときどきぶた』
著者ちょしゃ:矢玉 四郎 出版社しゅっぱんしゃ:岩崎書店
 「宿題がなくなればいいのに!」
 「毎日が休みだったらいいのに!」
 「好きな子がとなりの席になればいいのに!」
 もしそんな願いが全部かなったなら……。
 みんなもそんなこと思ったことあるでしょう。
 マジメに毎日日記をつけていた小学3年生の則安。
 ある日、お母さんがこっそりと則安の日記を読んでいることが分かった。腹を立てた則安は、デタラメなことを書いた「あしたの日記」をつけることに。
 しかし不思議なことに、そのデタラメな日記が次々と現実に!はじめはお母さんがふざけてやっているのかと思っていたが……。
 そんな中ふざけて日記に「はれ、ときどきぶたが降るでしょう」と書いてしまうと……。