おすすめの1さつ

県立図書館館館けんりつとしょかんのおすすめのほん(平成30年7月)

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おすすめの本

書名しょめい:『さよなら、ぼくらの千代商店』
著者ちょしゃ:中山 聖子 出版社しゅっぱんしゃ:岩崎書店
 家族のこと、友達のこと、そして自分自身のこと……。それぞれに悩みを抱えて苦しむ4人の子どもたち。「ここではないどこかへ行きたい」そう願ったとき、突然目の前に水色のバスがあらわれます。現実から逃げ出すように、バスに飛び乗って行き着いた先は、懐かしい思い出の場所「千代商店」でした。
 何年も前に無くなってしまったはずの店には、昔と変わらない姿の店主の千代ばあちゃんがいて、笑顔で迎え入れてくれます。ありのままの自分を受け入れてくれる千代ばあちゃんの温かさに触れ、ずっしりと重かった心が、ふんわりと軽くなっていきます。
 優しい言葉に背中を押してもらい、一歩踏み出す勇気が湧いた子どもたちは、再び水色のバスに乗って現実へと帰っていくのでした。
 少し不思議で、どこか懐かしい、優しさにあふれた感動作です。家族や友達、そしてなにより自分自身を見つめ直すきっかけとなる1冊です。



おすすめの本

書名しょめい:『春風亭一之輔のおもしろ落語入門』
著者ちょしゃ:春風亭一之輔 出版社しゅっぱんしゃ:小学館
 日本の古典的な話芸である落語。最近では、テレビで見ることも少なくなっているような気がします。
 この本では、落語家の春風亭一之輔さんが選んだ7つの古典落語が紹介されています。一之輔さんのひとこと解説も載っていて、落語初心者が読んでも楽しめる本になっています。落語は、「落ち」といってお話の最後が必ず笑っちゃうような結末になっているそうです。落語って言葉は、そこからきたのですね。
 江戸時代の庶民の生活が、面白おかしく語られている落語。読んでいると思わず笑ってしまうお話ばかりです。そそっかしい八五郎さん、マヌケな泥棒、知ったかぶりの和尚さん……。愛すべきキャラがたくさん登場します。
 この本を読んでみたら、落語に興味がわいてくるのではないでしょうか。


おすすめの本

書名しょめい:『4ミリ同盟』
著者ちょしゃ:高楼方子 出版社しゅっぱんしゃ:福音館書店
 ポイットさんは、あぶら汗をかき体を震わせながら大きな湖に浮かぶ小島〈フラココノ島〉に行くための船を待っていました。島には、一年中きらきらと輝くヘリオトロープ色の小さなリンゴほどの果実〈フラココノ実〉が生っています。やさしく切ない、遠い夢のような味がするこの実を、人々は成長するにつれ食べずにはいられなくなります。他の人はみんなこの実を食べているのに、ポイットさんだけは実を食べるため島へ行こうとするたびに失敗し26度目もまた失敗に終わってしまいました。
 ある日、一人の女性が「フラココノ実を食べていませんね?」と話しかけてきました。彼女が言うには、自分も同様に食べたことがない人は、歩くとき地面から4ミリほど足が浮いているというのです。二人は、4ミリ派の仲間を探し同盟を作り、協力して〈フラココノ実〉を食べようと決意するのですが。果たして思いを達成することはできるでしょうか?
 ひとつの目標をみんなで協力して達成するというチームワークの大切さや楽しさを教えてくれる1冊です。


おすすめの本

書名しょめい:『空中都市008(ゼロゼロエイト)』
著者ちょしゃ:小松 左京 出版社しゅっぱんしゃ:講談社
 50年前の人が想い描いた21世紀は、わくわくする夢の世界でした。
 空中都市008(ゼロゼロエイト)に引っ越しをすることになったホシオくん一家。未来では引っ越しの方法も今までとはまるで違います。家をまるごと運ぶのです。新しい街はぐるぐるネジのようなビルにアンドロイドのメイドさんがいて、外では自動運転の車が走っています。
 こんな未来を想像したのは、SF作家の小松左京さん。物語のあちこちに解説があるように、空中都市008での暮らしは、当時の最先端の研究や技術をもとにイメージした、実現しそうな世界だったのです。海底で働く人、月で暮らす人、あなたならどんな生活をしたいですか?
 今の世界と似ているところ、違うところを見つけながら読んでみませんか。そして今度はあなたが、新しい未来を思い描く番です。


おすすめの本

書名しょめい:『きみが世界を変えるなら』
著者ちょしゃ:石井 光太 出版社しゅっぱんしゃ:ポプラ社
 ひとからの言葉に、嬉しくなったこと、幸せになったこと、むかついたこと、落ち込んだこと、頑張ろうと思ったこと……。そんな経験がみなさんにもあると思います。そして、あなたの言葉にも相手はきっといろんな感情を抱いたでしょうね。
 この本の作者は「言葉は、きみが置かれている状況を変える《武器》になる。」と言っています。
 たとえば、サッカーで活躍している本田圭介選手は、小学校の卒業文集に“世界一のサッカー選手になりたいと言うよりなる。世界一になるには、世界一練習しないとダメだ。だから、今、ぼくはガンバッている。”と書いたそうです。この決意を知って、本田選手がプロ選手になれるように、監督やコーチ、先生、家族、友達が支えてくれたのですって。まさに言葉を武器に変えた瞬間ですよね。
 武器といえば、ひとを攻撃するものだけではなく、自分や周りを守るものがありますね。
 さあ、あなたはどんな言葉を武器にしますか?