おすすめの1さつ

県立図書館館館けんりつとしょかんのおすすめのほん(平成30年9月)

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おすすめの本

書名しょめい:『花のお江戸の朝顔連』
著者ちょしゃ:岩崎 京子 出版社しゅっぱんしゃ:佼成出版社
 朝顔は、夏になると家の軒先や道端でも見かけるとても身近な花ですが、この朝顔の咲きかたには、葉や花弁の形、花の大きさなどにたくさんの種類があることを知っていますか?
 変わった咲きかたの朝顔は『変化朝顔』といい、江戸時代や明治・大正時代に大流行しました。育てることが難しく、今では目にすることはほとんどありませんが、変化朝顔に縁(ゆかり)の深い人物に、鍋島直孝という人がいます。『鍋島』と聞いてピンときた人もいるかもしれませんが、直孝は佐賀の七賢人である鍋島直正の兄です。彼はたくさんの変化朝顔を生み出し、世間の人々の目を楽しませました。
 この本には、自分たちなりの変化朝顔を育てようと奮闘する三人組の姿が描かれています。
 おてんばな岡村家のお姫様のたえ、勝気な植木屋の娘のおいち、本草学(ほんぞうがく)好きな武家の子の真次。身分も性格もばらばらな三人は、果たして朝顔の花を咲かせることはできるのでしょうか?



おすすめの本

書名しょめい:『まっしょうめん!』
著者ちょしゃ:あさだ りん 出版社しゅっぱんしゃ:偕成社
 みなさんは、自分がやったことのないことを人に勧められたらどうしますか?この物語は、父親の気まぐれな提案から、剣道を始めることになった成美(なるみ)が主人公です。
 成美は、身長は高いのに運動が苦手なタイプの小学6年生です。手始めに、指導の先生から思いがけないルールを作られます。それは、履きなれた運動靴ではなく下駄で出かけることや、ちゃぶ台に正座で食事をするという内容でした。とまどいながらも、ルールをちゃんと守って練習に励み、クラブの仲間とだんだん打ち解けていきます。そして、試合に挑むうちに先生が決めたルールの意味が分かるようになるのですが、いったいどのように役立つのでしょうか?
 成美のように、新しいことにチャレンジすると、今までとは違う見方ができて、新たな自分に出会えるかもしれませんね。



おすすめの本

書名しょめい:『スピニー通りの秘密の絵』
著者ちょしゃ:L.M.フィッツジェラルド 出版社しゅっぱんしゃ:あすなろ書房店
 セオドラは、スピニー通りに住む13歳の女の子。働き者の祖父、数学の世界に閉じこもっている母親と3人で暮らしていました。
 あるとき、一家の生活を支えていた祖父が事故で亡くなります。セオドラの生活は一変し、減り続ける生活費を確認しては、途方に暮れる毎日です。
 「卵の下を探すんだ」
セオドラは祖父が亡くなる間際に言った言葉を頼りに、何か残された財産があるのではないかと探し続けます。そして、ある絵画を見つけました。祖父から教えられた絵画の知識を活かし、友人と協力しながら、祖父が残した謎に挑みます。
 祖父の過去に何があったのか、祖父が残した絵は一体何なのか、たくさんの要素が折り重なって、どんどん物語に引き込まれます。
 孤独だったセオドラの心境の変化にも注目しながら読んでください。


おすすめの本

書名しょめい:『帽子から電話です』
著者ちょしゃ:長田 弘 出版社しゅっぱんしゃ:偕成社
 「ぼく」は電話が苦手です。なぜなら、いつも突然かかってきて僕をびっくりさせるから。
 ある日、一人で留守番をしていると、いきなり電話が鳴りました。思い切って電話に出た僕の耳に飛び込んできたのは、『青いしましま帽子』と名乗る、今まで聞いたことのない声でした。声の主は、お父さんが疲れた時にいつも被る帽子だったのです。外に忘れられていた帽子は、次の日お父さんと一緒に家に戻ってきました。ところが、僕がいくら話しかけても、帽子はちっとも答えてくれません。そんな帽子の態度に腹を立てた僕ですが、持ち主であるお父さんから、青いしましま帽子は『ひみつの帽子』だと伝えられます。『ひみつ』という言葉に惹かれた僕は、礼儀知らずだと思っていた帽子のことが気になり始めます。
 お父さんが『ひみつ』と言ったのはなぜなのでしょうか?その理由を知った時の「ぼく」の気持ちや、素直さが表れた鋭い言葉に注目して読んでみてください。


おすすめの本

書名しょめい:『ぐるぐるの図書室』
著者ちょしゃ:工藤純子・廣嶋玲子・濱野京子・菅野雪虫・まはら三桃 
出版社
しゅっぱんしゃ
:講談社
 皆さんは学校の図書室へ行っていますか?この本の舞台は学校の図書室です。
 「○○したい人は図書室へ来てください」という茜色の貼紙。この貼紙は、悩みのある人にしか見えない不思議な貼紙です。これに導かれて図書室へやって来たのは自信のない女の子、スポーツマンに優等生と様々なタイプの子供たち。あやしげな雰囲気の司書がすすめる本はその人専用。本の世界へ誘い、自分の悩んでいることはなんてちっぽけなことだったんだろうと気付かせてくれます。悩むことはいいことです。でも悩みすぎるのはよくありません。時に本は悩みを解決するヒントを与えてくれます。こんな図書室ならあなたにピッタリの本を紹介してくれます。
 普段図書室へ行かない人も、ぜひ一度図書室をのぞいてみてください。茜色の貼紙が見つかるかもしれませんよ。