事例詳細
調査・質問内容
質問番号 | 0000013482 |
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状態 | 受付済 |
質問日 | 2024/11/03 |
佐賀県出身の林久三という人物の経歴を知りたく、調査をしております。
林久三は佐賀県出身で明治期の人物で、巡査を務めたあと当時日本統治下にあった台湾に渡り通訳として活動したようです。翻訳にまつわる本の他に、日本人が台湾料理についてまとめた本としては最古期のもののひとつと考えられる『台湾料理之栞』(明治45年刊行)という本を著しました。
彼の経歴について記したような本がなく、検索しますと若干ヒットはするのですが、それが何を典拠にしているのか分からず、なんでもよいので少しでも彼の経歴が分かればと思っております。
【事前に自分で調査した事項】
・佐賀新聞の知人に頼んで記事が無いか調べてもらったのですが、何もヒットしないとのことでした。
・佐賀県立図書館データベースでも何もヒットしませんでした。
・ネットで検索してもほとんど情報が出てきませんが、この翻訳論文が出てきます。file:///C:/Users/harat/Downloads/juncture_11_8.pdf
この論文を書かれている方は台湾料理の歴史を研究されている方で、今年『「台湾菜」の文化史』という翻訳が日本でも刊行されています。
ここに「『臺灣料理之栞』の著者林久三は、佐賀県士族出身で、1896年7月に台湾に渡った。本業は巡査で、仕事の合間に台湾現地の言葉を勉強していた。1898年、台中地方法院の通訳者に転任後、台湾総督府警察官及司獄官練習所の教務囑託、台南地方法院の通訳者などを担当した」という文章が出てきます。
図書館からの回答
回答状態 | 公開済み |
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公開日 | 2025/03/06 |
関連質問番号 |
御質問の件については、次の資料に記載がありました。
(1)『佐賀新聞 1895(明治28)年11月13日』
2面「臺灣苗栗通信」
十月廿六日臺灣總督府民政局支部苗栗出張所第四號宿舎古賀文也氏より社友の許に寄せられたは掲げて讀者の参考に供す 前略苗栗は山間の一都に御座候此地在勤巡査三十七名警部三名
(中略)林久三(後略)
(2)『佐賀県警察職員録 明治27年12月現在』 佐賀県警察部 1895年
5コマ 神埼警察署 第十三受持區 西郷村 尾崎仝 仝二級俸 林久三 福岡縣
【https://dl.ndl.go.jp/pid/779649】
(3)『佐賀県職員録 明治28年1月現在』 佐賀県知事官房 1895年
16コマ 神埼警察署 巡査 二級 林久三 福岡縣士族
【https://dl.ndl.go.jp/pid/779650】
(4)『官報 1901年6月21日』 大蔵省印刷局 [編] 日本マイクロ写真 1901年
3コマ 〇叙任及辞令 〇明治三十三年二月九日 叙勲八等授瑞寶章 臺中縣巡査 林久三
【https://dl.ndl.go.jp/pid/2948688】
(5)『官報 1908年12月26日』 大蔵省印刷局 [編] 日本マイクロ写真 1908年
7コマ 〇叙任及辞令 〇明治四十一年十二月二十五日 叙勲七等授瑞寶章 臺灣總督府法院通譯
勲八等 林久三
【https://dl.ndl.go.jp/pid/2951001】
(6)『職員録』 印刷局
・「明治33年現在(甲)」
398コマ 〇臺南地方法院 〇嘉義出張所 通譯(兼)臺南地方法院検察局通譯 林久三
・「明治36年現在(甲)」
419コマ 〇警察官及司獄官練習所 教官(兼)書記 林久三、書記 勲八 林久三
・「明治37年現在(甲)」
326コマ 〇警察官及司獄官練習所 教官(兼)練習所書記 林久三、書記兼教官勲八 林久三
・「明治41年現在(甲)」 438コマ 〇臺南地方法院 通譯 林久三
・「明治45年現在(甲)」 537コマ 〇臺南地方法院 通譯 勲七 林久三
・「大正3年甲」 601コマ 〇臺南地方法院 通譯 勲七 林久三
・「大正4年甲」 610コマ 〇臺南地方法院 通譯 勲七 林久三
・「大正5年甲」 632コマ 〇臺南地方法院 通譯 勲七 林久三
・「大正6年甲」 633コマ 〇臺南地方法院 通譯 勲七 林久三
・「大正7年」 325コマ 〇臺南地方法院 通譯 勲七 林久三
・「大正9年」 443コマ 〇臺南地方法院嘉義支部 通譯 従七、勲七 林久三
【https://dl.ndl.go.jp】 ※「キーワード:林久三」「タイトル:職員録」で検索
(7)『日本統治前半期台湾の官僚組織における通訳育成と雜誌『語苑』:1910-1920年代を中心に』
岡本真希子/著 2012年
p.112 〇出生(出身):1863(佐賀) 〇渡台前経歴:1887-1895 年7 月佐賀県巡査。
〇渡台後経歴:1895年9月第一期警察官募集に応じて渡台。1896年4月台中県巡査。1897年5月
台中県嘱託員(彰化警察署)。(後略)
〇職員録以外の経歴出典:「台湾総督府公文類纂」457-24,同3135-9。
p.413 付表「台湾総督府公文類纂」所収資料名
〇文書番号(冊号-文書番号):457-24 資料名:林久三任法院通訳 「台湾総督府公文類纂」:
明治 32 年・永久進退保存・第 7 巻
〇文書番号(冊号-文書番号):3135-9 資料名:林久三恩給証書下付 「台湾総督府公文類纂」:
大正 9 年・永久保存・第 3 巻
【https://doshisha.repo.nii.ac.jp/records/21904】
(2)~(6)は、国立国会図書館デジタルコレクション(インターネット公開)にて閲覧可能です。
(7)は、同志社大学学術リポジトリにて閲覧可能です。
また、調査の参考として次の検索方法を御紹介します。
〇佐賀県立図書館「古文書等検索」
【https://www2.tosyo-saga.jp/archives/opac/search-detail-archives.do?lang=ja】
資料群名に「佐賀県明治行政資料」、フリーワード等に任意のワードを入力し検索してください。
※『佐賀県明治行政資料』は、佐賀県庁が所蔵していた廃藩置県から昭和初期にかけての行政資料
(約2,500件)です。内容は、達・布告、官省進達、管内布達、諸規則や家禄奉還、農業をはじめ
とする各種産業に関する資料、諸願伺届書、興行願等です。
〇佐賀県公文書館「佐賀県歴史的文書検索システム」
【https://sagaken-koubunshokan.pref.saga.lg.jp/Search/Simple】
※佐賀県公文書館は、歴史資料としての価値を有すると認められる佐賀県の公文書(歴史的文書)
を収集、整理、保存しています。
〇国立国会図書館サーチ「リサーチ・ナビ」
●「台湾所在の植民地期日本関係資料の調べ方」
【https://ndlsearch.ndl.go.jp/en/rnavi/asia/post_116】
●「台湾の公文書(档案)を調べる(1)明清~日本統治期」
【https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi/asia/post_133】
●「台湾の公文書(档案)を調べる(2)第二次大戦後」
【https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi/asia/post_134】
※すべてのサイトへの最終アクセス日は2024.11.7です。
参考URL
タイトル | 注記 |
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『佐賀県警察職員録 明治27年12月現在』 | 最終アクセス日:2024.11.7 |
『佐賀県職員録 明治28年1月現在』 | 最終アクセス日:2024.11.7 |
『官報 1901年6月21日』 | 最終アクセス日:2024.11.7 |
『官報 1908年12月26日』 | 最終アクセス日:2024.11.7 |
国立国会図書館デジタルコレクション | 最終アクセス日:2024.11.7 |
『日本統治前半期台湾の官僚組織における通訳育成と雜誌『語苑』:1910-1920年代を中心に』 | 最終アクセス日:2024.11.7 |
佐賀県立図書館「古文書等検索」 | 最終アクセス日:2024.11.7 |
佐賀県公文書館「佐賀県歴史的文書検索システム」 | 最終アクセス日:2024.11.7 |
国立国会図書館サーチ「リサーチ・ナビ」:「台湾所在の植民地期日本関係資料の調べ方」 | 最終アクセス日:2024.11.7 |
国立国会図書館サーチ「リサーチ・ナビ」:「台湾の公文書(档案)を調べる(1)明清~日本統治期」 | 最終アクセス日:2024.11.7 |
国立国会図書館サーチ「リサーチ・ナビ」:「台湾の公文書(档案)を調べる(2)第二次大戦後」 | 最終アクセス日:2024.11.7 |
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